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中秋の名月†
- 太陰太陽暦では、満月は月の満ち欠け周期の約半分にあたる15日目ごろとなります。
- 広く普及する仮名暦には天文学的な意味での満月=望がいつかという情報は載っておらず、単純に十五夜の月が満月と認識されていました (⇒ 名月必ずしも満月ならず)。
- とくに陰暦八月十五日の夕方に出る月は中秋の名月と呼ばれます。
- 単に十五夜や名月といった場合も、中秋の名月をさすことが多いです。
- 月々に月見る月は多けれど月見る月はこの月の月 (よみびと知らず)
- 八月十五日=秋(七、八、九月)の真ん中で中秋の意です。仲秋は陰暦八月全体を指す言葉であり、仲秋の名月とは言いません。
- お月見、観月の風習は中国から9世紀ごろに伝来。
- 月見の宴、詩歌、庭園・池
- 直接見るだけでなく、景色とあわせて、池に映してなど、風情のある楽しみ方が古来よりなされてきました。
- たとえば桂離宮 (宮内庁 ) は、月の鑑賞をふまえて設計されたといわれています。
- 団子、芋名月、月餅〜収穫祭的な意味合い
- 中国では中秋節、韓国では秋夕 (チュソク) と呼ばれる一大イベントとなっております。
- 十三夜
中秋の名月はいつ?†
- 太陰太陽暦と違い、太陽暦では毎年日付が変わります。基本的には「秋分(八月中)を含む陰暦月の十五日」のことですから、
- 1年ごとに約11日前に、うるう月が入ると約1か月後ろに
- 秋分の日は定気法では9月22 or 23 or 24日になりますから、中秋の名月は9月7日〜10月8日。
- パターンは太陰太陽暦の基本周期である19年でだいたい一巡
- 24日が陰暦1日となるケースが最も遅い。⇒ 10月8日:たとえば、大正08年(1919)、昭和13年(1938)。
- 22日が陰暦30日となるケースが最も早い。⇒ 9月7日:たとえば、2052年。
- つまり、最も早いケースも最も遅いケースも19年周期では同じ2014年の系列で、秋分の日が朔になるか翌日が朔になるかがポイントです。
- 10月になるのは19年に4-5回
- 中秋の名月は年1回?
- 「秋分(八月中)を含む陰暦月の十五日」=伝統的七夕方式を用いれば、名月は必ず年1回に定まります。
- しかし、太陰太陽暦にはうるう月が存在し、『日本紀略』延喜九年閏八月十五日の記録や (国文学研究資料館 )、松尾芭蕉の「名月は二つ過ぎても瀬田の月」(元禄四年閏八月) のように、閏八月十五日も名月とする例があります。
- うるう月の場合に年中行事をどうするかはさまざまです。
- そもそも暦面上に「中秋」や「名月」といった表記はなく、適宜解釈しているものと思われます。
- 閏八月がある場合はどちらも秋分の±15日くらいになりますし、月見は天気に左右されますし、2回祝っても支障をきたすことはありませんから、両方とも名月と解釈するのは合理的に思われます。
- 表の範囲では、1995年10月09日が閏八月十五日に該当します。
年 | 月日 |
1991年 | 9月22日 |
1992年 | 9月11日 |
1993年 | 9月30日 |
1994年 | 9月20日 |
1995年 | 9月09日 |
1996年 | 9月27日 |
1997年 | 9月16日 |
1998年 | 10月05日 |
1999年 | 9月24日 |
2000年 | 9月12日 |
年 | 月日 |
2001年 | 10月01日 |
2002年 | 9月21日 |
2003年 | 9月11日 |
2004年 | 9月28日 |
2005年 | 9月18日 |
2006年 | 10月06日 |
2007年 | 9月25日 |
2008年 | 9月14日 |
2009年 | 10月03日 |
2010年 | 9月22日 |
年 | 月日 |
2011年 | 9月12日 |
2012年 | 9月30日 |
2013年 | 9月19日 |
2014年 | 9月08日 |
2015年 | 9月27日 |
2016年 | 9月15日 |
2017年 | 10月04日 |
2018年 | 9月24日 |
2019年 | 9月13日 |
2020年 | 10月01日 |
年 | 月日 |
2021年 | 9月21日 |
2022年 | 9月10日 |
2023年 | 9月29日 |
2024年 | 9月17日 |
2025年 | 10月06日 |
2026年 | 9月25日 |
2027年 | 9月15日 |
2028年 | 10月03日 |
2029年 | 9月22日 |
2030年 | 9月12日 |
2033年問題との関連†
- いわゆる旧暦2033年問題とは、
- 秋分を含む陰暦月と冬至を含む陰暦月の間に1陰暦月しかないため、
- 秋分を含む月は八月、冬至を含む月は十一月とするという天保暦のルールを満たすことができず、
- うるう月の置き方が一意に決まらないという問題です。
- 中秋の名月は陰暦八月十五日の夜に出る月ですから、じかにこの影響を受けてしまいます。「旧暦2033年問題について」で説明した3パターンでは、
- 案1・案3の場合は9月8日となります。
- 案2の場合は10月7日となります。
- 先に説明したように、もともと中秋の名月は太陽暦だと毎年日付が変わります。
- 9月8日も10月7日もそのパターンのうちであり、どちらの日付を選んでも的外れにはなりません。
- そのほかにも、いろいろな考え方が可能です。
- 伝統的七夕方式
- 秋分の日かそれより前にある、最も近い朔から数えて15日目、つまり、秋分を含む陰暦月の十五日とします。
- この場合は案2と同じで10月7日となります。
- 調整による複雑な変動を避けることができる反面、2つ中気が入る陰暦月は異なる月の行事を平行して行なうことになるので、すべてこの方式でというわけにはいかないでしょう。
- 秋分に最も近い望=Harvest Moonをとる
- 名月必ずしも満月ならずなどといわずに、天文学的な満月(望)をとるという考え方も可能です。
- この場合は9月9日11時の望のほうが秋分に近いですので、9月8日か9月9日の月を選ぶことになるでしょう。
- どちらも同じくらい秋分から離れているケース、望の瞬間と月の見える時間帯が異なるケース、などを考慮する必要があるでしょう。
- 両方祝う
- どちらも名月たる資格はありますので、両方祝うというのもひとつの考え方です。
- どちらも秋分の±15日くらいという意味では、閏八月のケースに似ていますね。
関連ページ†
Last-modified: 2024-11-17 (日) 11:07:55